きな薬局 いくら 其の参
百味箪笥(小型)生薬入れです。左は薬用ニンジン六年根の生薬見本です。
傷寒論という古典の葛根湯の条文です。
前回はカレーというレシピ(処方)は同じでも材料の選び方や素材の下ごしらえの仕方で味(効果)が違うという
お話でした。
で・・・今回は調理方法の話。同じ材料でも調理人(漢方方術師)の調理法(調整法)でやはりカレー(処方)の
味(効き目)が違うというお話。たとえば上の画像にある『葛根湯』・・・とても有名な処方ですが、この処方には
麻黄(マオウ)と葛根(カッコン)というとても煮出しにくい生薬と桂枝・芍薬・甘草・生姜・大棗という煮出しやすい
生薬が混在しています。
カレーで例えると・・・ジャガイモやニンジンなどの比較的火の通りの悪いものと玉ねぎのように火を通しすぎる
と跡形もなく消えてしまう野菜があります。ジャガイモが溶けるほど煮込むのが好きだとか玉ねぎはぜひとも形
があってほしいだとか好みも千差万別です。すると自ずから鍋へ入れる順番やタイミングが異なります。
葛根湯を作る際は先ず葛根と麻黄を二合(360cc)の水が四勺(72cc)減るまで煎じて、その後、他の生薬を
入れ六勺(108cc)まで煎じ詰めます。
ですが、大量生産でここまで気を配って製造している所は少ないですし有っても、やはり少しお高いです。
決していっぺんに煮るレトルトカレー(既製品のエキス漢方)がダメだとは言っていません。レトルトには気軽さ
や安さ、なにより調理時間の短縮ができます。ですがキチンと伝統を守ったカレー(漢方薬)はそれなりに
手間暇がかかるのでコストもそれなりに高くなります。
ちなみに当方、レトルトの扱いはございません。
以上三回に渡って、きな薬局の漢方が保険が効かずお高めだということの『言い訳』でした。(笑)
あ~カレーが食べたくなってきた!。
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